ショルダーバッグの作成1(まずは構想を練ろう)

型紙作成、革の切り出し、表面加工、縫合と、一通りの工程の目途が立ったので、いよいよ具体的な設計に着手します。
(「基礎要素開発ステージから個別要素設計ステージに移行」と言うと、仕事を思い出すから何か嫌だな・・・)

 

まずは商品企画で最も重要な、顧客(=妻)のニーズ調査です。
具体的なリクエストを聞いた結果は、次の通り。

・フォーマルではなく、普段の買物に持っていけるカジュアルなもの

・舟形のバッグは、口が大きく開かないから使いにくい

・ファスナーではなく被せ蓋がいい

・昔の郵便配達人のバッグみたいな感じ

・色は、いかにも革らしい茶色か黄色。明るめの方がいい

 

「郵便配達人のバッグ」というのが良く分からないので更に聞いてみると、被せ蓋をベルトで留めていて、口がガバッと大きく開くのが良いみたい。
漠然と、昔の外国映画に出てくる郵便配達人が持っているようなバッグの形をイメージしているだけで、日本の郵便屋さんが使っていたこんなの(↓)ではない模様。

郵政省集配バッグ

 

ショルダーバッグのデザインと言われても、ファッションにとんと疎い酉にはサッパリイメージが湧きません。
そこで、Google先生の画像検索でショルダーバッグを調べてみると・・・可愛いのから恰好いいのまで、出るわ出るわ。でも、あんまり複雑なものは素人には真似できないし、「口がガバッと大きく開いて、中身が見やすい」となると、いまいちピンと来るものがありません。

 

そんな中、バッグの前面を分割して、余裕を持たせて繋ぎ合わせたものを見つけました。オリジナルはヒダの部分がポケットになっていたりと複雑な構造ですが、外観だけならそれっぽい物が作れそう。
早速、思いつくままに構想設計図・・・とは言えないような落書きで、おおまかな寸法を考えていきます。

初期構想設計図

頭の中で考えた展開図では、本当に狙った形に組み上がるのか分からないし、妻のイメージに合うような大きさになっているかどうかも分かりません。
そこで、CADで型紙の案を作り、厚手の紙に印刷して、組み立ててみました。 

紙モックアップ

 底の部分は、当初は底板のパーツと鉢巻状の細長いパーツを組み合わせて作るつもりでした。
しかし実際に組み立ててみると、底板の角の部分を縫い合わせるのが非常に大変そうだったので、1枚のパーツを包装紙折り(?)して立体化するように変更しました。

紙モックアップ開口部

 バッグの前面は、パーツを分割して組み合わせています。
これなら大きく口を開くことができますし、本番で革を縫い合わせた時に多少寸法がずれても、強引に底面パーツに押し込んで誤魔化すことができそうです。(^^;)

 

作ってみた紙製のモックアップを妻に見せた結果、大きさ・形ともOKが出ました。
では、床革で試作品を作ってみますか。