本格的な革細工作品に挑戦・・・する前に

革の端切れはまだまだあるし、次は何を作ろうかな?・・・と考えていたら、妻から「普段使いできる、カジュアルで見た目が良いショルダーバッグが欲しいな」との無茶振りリクエストが。
ちょっと待て、こちとら革細工歴2週間だぞ。幼稚園児が使うズタ袋を何とか作れるようになった新米ママが、いきなりオシャレバッグに挑戦するようなもんだぞ!?

とはいえ、初期投資でそれなりにお金を使わせてもらっていることだし、できれば期待に応えたいところ。そこで、例によってネットで情報収集開始。
やっぱり型紙を公開しているサイトは少なく、本格的なショルダーバッグを作るためには、型紙集などの本を買わなければいけないみたいです。
でも、せっかくならお仕着せではなく使いやすいようにこだわって作りたい。というわけで、プロの方の作品を参考にして、いちから設計することにしました。

 

今まで作った平面的なものとは違って、適当に作ってちゃんと組み上がるとはとても思えないので、試作が必要です。
そこで、安い床革を使ってテストしてみることにしました。にわか常連となった「すずらん」で、適当な厚さの床革を購入。半裁まではいかないけど、かなりデカい。これで価格はヌメ革の1/10以下なので、練習用には最適。
ちなみに床革とは、表面のきれいな革の厚さを調整するためにそぎ取った、革の内側の部分だそうです。人の場合は対外的な面の皮を剥ぎ取ると醜い内面が現れますが、動物はきれいなものです(違)。

床革

これを見てしまうと、単に型取りのテストに使うだけではもったいなくなりました。
ネット情報によると、床革は表の丈夫な層(銀面)が無いので強度は落ちますが、きちんと処理剤で表面を整えれば、立派な作品が作れるらしい。
今回の目的はハンドバッグ作成のための試作、いわばモックアップ作りですが、どうせならしっかりと色を塗って表面処理をして、見た目だけでもちゃんとしたバッグにしてみたいと、欲が出てきました。

 

というわけで、まずは彩色の練習として、小物を作ってみます。
「はじめてのレザークラフト」にはレザーギャラリーというコーナーがあり、毎号ちょっとした小物の写真と作り方解説が書かれています。ここに革を水で濡らして柔らかくして成型するミニトレイが載っていたので、これを作ることにしました。

本に載っていたのは正方形のトレイでしたが、これまた妻から「メガネを置くトレイがあれば便利」と言われたので、ちょっと形を変えて作ってみます。
これまた現物合わせで型紙を作成。

メガネトレイ型紙

型紙のPDFはこちら

外側の縁部分の曲線の中心と、内側の曲線の中心を結んだ線が、45°ずつになるように配置するのがポイントです。これによって、縁を曲げた時にきれいな対称形になる・・・はず。

 

「クラフト染料」という水性の塗料を水で薄めて、切り出した革パーツに塗っていきます。「皮革に湿り気を与えてから染色する」という説明書きを読まずにいきなり塗ったら、塗る端から革に吸い込まれてしまって焦ったりもしましたが、何とかそれっぽく染色。
丸一日自然乾燥させてから、「トコフィニッシュ」というコバ(革の断面)やトコ(革の裏側。床革の場合は全面)を磨く液体を薄く塗り広げ、半乾きの状態になったら平らな硬い物(専用の厚いガラス板や、スリッカーという木の棒など)で磨くと、発色が鮮やかになってツルツルになります。
最後に「レザーコート」という仕上げ剤を塗って、パーツの準備完了。全てクラフト社の薬剤を使いましたが、別にメーカーの回し者じゃありませんよ~。

塗料類

2枚のパーツを革用の接着剤(普通の汎用接着剤でOK。コニシの「Gクリヤー」が黄色くならないから便利かな)で仮固定して、見栄え良く(これが難しい)縫い合わせます。
最後に、外側の革を湿らせて、形を整えます。私はキッチンペーパーに水を含ませて、軽く叩きながら革に水を含ませました。
四隅を指でつまんで形を作り、そのまま乾燥させれば完成。

メガネトレイ

おぉっ、なんかそれっぽい!!
やっぱり色を付けると、見た目が良いです。格安の床革が見違えました。

なお、これを見た子供には「お店でお金を置くトレイみたい」と言われました。
うむ、確かに。「1,520円のお返しです。ありがとうございました~」(違)

お釣りトレイ?